花子さんのこと

ぎんブログを開設してから、早11ヶ月経ちます。
んでもって、なるべく週に一回の更新ペースで進めている(つもり)ですが。


鳥一羽で持たせるのはネタ的に厳しいぞ
って弱音で、本日はぎん以外の鳥の話題なぞ挙げさせて頂きますm(_'_)m


10年前まで、仙台に住んでおりました。
まだその時代、公園の鳩に餌を与える行為には無頓着というか寛容というかで
咎める人も余り無く、仙台の勾当台公園という場所では、ハトの餌を一袋100円で売る店もありました。
私は一時期、この勾当台公園近辺で働いており、出勤時間より30分ほど早く出て、公園のハトに餌を与えるという呑気な朝を過ごしておりました。
公園のハトは200羽くらいいたかなあ、結構な数でして
その中に一羽、動きの遅いハトがいました。
毛色はまだ薄黒くくすんでいて、おそらく巣立ち直後のまだ雛っ子。
なぜ動きが遅いかと言うと、片足…左足だけで移動してました。
右足は宙に浮かせてだらんとしており利かない状態。なので片足だけでヨタヨタ跳ねるしかないため、餌を撒いても他のハトに全て餌を取られてし

まうという状態。
見かねてそのハトを手に取ると、もう肋骨が浮き出ていてガリガリに痩せてました。

季節は真冬。宮城では日々雪が降っては積もり残って、ハトにとっては一番過ごしにくい季節です。

痩せっぽちの子鳩にその時はある程度餌を食べさせて公園にかえしてましたが、日に日にやつれて行く子鳩を見かねて
自分の住居に、連れて帰りました。
(ちなみに鳩は野鳥に属するので、保護する場合は行政の許可が必要です。。。って10年前は知りませんでしたごめんなさい刑事さん)
保護した鳩の羽色は、こんな感じです。



ちなみにこの写真は最近、良く似た羽の鳩を撮影しました。
全体が黒っぽくて、右側の風切り一本だけが白い。
めったに鳴かない事からメスと判断。
顔は〜お世辞にも可愛いとは言えなかったです。
目の上の羽根がボサボサしていてゲジ眉みたいで、例えれば。
村山元総理に似たハトでした。


それでも女の子だろうハトなので、花子命名


その日から、私と花子の同居が始まりました。

ダンボールに入れていたのですが、初日はもちろんビクビク。
でもよほど腹が減っていたのか、餌は良く食べてくれました。
気を落ち着かせるために2−3日はそのまま飼っていて、落ち着いた辺りで不自由な右足のチェックを行いました。
どうやら、巣から出た時にでも足をくじいたらしく、指の先が丸まっていたため地面に足をつけられなかったよう。
ずっと左足だけで行動していたため、右足は治っていたけれど筋肉がすっかり衰えておりました。
なのでここから、素人療法だったのですが治療開始。
まずは右足をちゃんと地面につけられるよう、テープで右足の指を真っ直ぐに固定。
花子さんは始め戸惑っておりましたが、右足の裏が地面に付けられるようになったためか、少しずつ右足を使うようになってきました。
その状態で一週間過ごし(テープは2−3日に一度替えてあげました)
花子さんは、少し右足を動かすものの、やはり丈夫な左足に頼ってしまうため、中々歩行がはかどりませんでした。
なので素人療法第二弾。すいません、スパルタしました。
今度は、左足をテープでグルグル固定。
左足を不自由にして右足を使わせるよう、ちょっと厳しいリハビリを開始しました。
花子さんは少しずつ右足を使うようになり、ヨタヨタしながらも日々を過ごしておりました。
花子さんの好物は麦で、私が食べるために購入していた押し麦を与えると、たちまちペロッと平らげました。
鳩の餌に押し麦を混ぜたら、他の餌は全て外にすっとばとして麦だけを食べるほど。
大好物ばかり食べるのはハト共通の行動なのですねorz
やはり人間が得意ではなく、私に近づくことはありませんでしたが、鏡を見せてあげると仲間と勘違いしたのか鏡の側に座り込んで軽くつつく仕草も見せ、そんな時は花子が可愛いらしく見えました。
そんなこんなで花子さんとの同居から2週間経ったある土曜の朝。
その日は快晴で、花子さんは窓の向こうの青い空を眺めていたかと思うと、突然飛び上がってガラスにぶつかりました。
「帰りたいのかい?」
と花子さんを見ると、いつの間にか両足でスタスタ歩いている花子さんがそこにいました。
日々多めに餌は食べさせていたものの、まだガリガリの花子さんを公園に戻すのは気が咎めましたが
じっと青空を見上げている姿に、2週間で公園に戻すことを決めました。


公園に放した花子さんは、足の状態も良く他の仲間に負けず餌を取れるようになり
たまに私が公園で餌をやっていると、自分から肩に乗ってくれもしました。


それから程なくして、私は結婚で関東に移りました。
関東に住んでから3年目の夏、帰省のついでに勾当台公園に立ち寄りました。
ハトの餌売りはなくなっており、公園は「よさこい」のリハーサルでにぎわっておりました。
そんな人間の足の間を数十羽のハトがうろうろしており
その中に、右の風切りだけが白いハトを一羽見つけました。
そのハトはずんぐりむっくりと太っており、羽根も大人の色をしておりました。
でかいお尻を振り振り歩いていて、たまにオスに求愛されていたので、多分メスの鳩。
花子さんかなとハトの背中をじっと見ていると、視線に気付いたかのようにハトがくるりと振り返り
ほんの数秒、目を合わせました。
ハトはまた背を向けて仲間の中をスタスタを歩いて去っていきました。


花子さんと会ってから、10年以上経ちました。
野生のドバトは5−6年しか生きられないので花子さんがこの世にいるかどうかは期待薄なのですが
あの図体の大きい、お尻を振って去って言ったハトがもし花子さんなら
子孫はきっと残せているのだろうと、今でも思います。


以上、ハト昔話にお付き合い頂きありがとうごさいました。
最後にぎん近況。



そろそろ抱卵から飽き始めて来たのか、自分から産屋を離れて私の手に止まるようになってきました。



なんか疲れていたみたいで、産屋の端によりかかってまったりしてます。
外から聞こえるウグイスの鳴き声に反応してたまにポッポロ泣き始めるし
ぎんにとって、2度目の春が来ているようです。